先日、ビジネス統計スペシャリストのうち「Excel分析スペシャリスト(上級)」を受験し、無事に一発合格しました。
統計については全くの素人でしたが、今回独学で合格できたので、その時のことを備忘録としてまとめておきます。
これから試験を控えている方や、試験を受けようか迷っている方のお役に立てれば嬉しいです。
この記事を読んでほしい人
- ビジネス統計スペシャリストってどんな資格?
- 何の役に立つの?
- オススメの勉強方法や勉強時間が知りたい
- 学習のコツや受験時の注意点
この記事の信頼性
▼オデッセイコミュニケーションズ創設社長の出張様にお褒めの言葉を頂きました。
ビジ統(社内ではこう読んでいます)以外にも弊社で運営する試験をご受験いただきありがとうございます。一発合格おめでとうございました。#オデッセイコミュニケーションズ https://t.co/D2mCEBYeXN
— 出張勝也/Katsuya Debari (@katsuyadebari) May 1, 2023
ビジネス統計スペシャリストとは?
ビジネス統計スペシャリストは、Excelを使ったビジネスデータ分析力を証明する試験です。
このビジネス統計スペシャリストには学習レベル別に、「ベーシック」と「スペシャリスト」2つの試験が用意されています。
今回、私が受験したのは、上級レベルの「エクセル分析スペシャリスト」でした。
「ベーシック」と「スペシャリスト」の主な違い
エクセル分析ベーシック(基礎) | エクセル分析スペシャリスト(上級) | |
---|---|---|
特徴 | データの平均値や標準偏差などの基本的な統計知識。Excelのグラフ機能や関数を使用した基礎的なデータ分析スキルを学ぶ | データ分析の”実践”に重点をおき、分析データの理解・まとめ方、仮説検定、相関分析、回帰分析などを学ぶ |
問題数 | 40問前後 | 30問 |
出題形式 | 択一問題、穴埋め問題 | 選択問題、穴埋め問題 |
試験方法 | CBT(Computer Based Testing)形式 | CBT(Computer Based Testing)形式 |
試験時間 | 60分 | 60分 |
合格基準 | 700点(1000点満点) | 700点(1000点満点) |
受験料 | 一般価格 6,600円(税込) 割引価格※ 4,400円(税込) |
一般価格 10,780円(税込) 割引価格※ 8,800円(税込) |
当然ですが、ベーシック(基礎)は統計に関する基礎的な知識を学びます。一方で、スペシャリスト(上級)では、より実践的な分析手法を学びます。
試験時間はどちらも60分と同じですが、問題数がスペシャリスト(上級)の方が10問少ないです。これは、上級の方が1問にかかる解答時間が必要となるからでしょう。
また、出題形式で「択一問題」か「選択問題」かの違いがあり、個人的にはここが大きな違いだと思います。
- 択一問題・・・選択肢の中で回答は必ず1つだけ
- 選択問題・・・選択肢の中で回答が複数ある
択一問題を採用しているベーシック(基礎)では、回答は必ず1つ存在する為、迷った時は消去法や勘で正解になる場合もあります。
しかし、選択問題を採用しているスペシャリスト(上級)では、回答が複数ある為、勘や消去法が通用しづらくなっています。
しかも、スペシャリスト(上級)で厄介なのが下記のような出題があること。
▼スペシャリストの出題例
選択肢の中に答えがない場合には、「答えが無い」という選択肢で回答しなければなりません。つまり、勘で正解するのがさらに難しくなっています。
「ビジネス統計スペシャリスト」と「統計検定」の違いは?
ここでちょっと話を変えて、
「ビジネス統計スペシャリスト」とよく似た資格に「統計検定」がありますが、何が違うのでしょうか?
ビジネス統計スペシャリスト・・・ビジネスでのデータ分析能力を証明するための資格
統計検定・・・統計学の知識や技能を証明するための資格
「統計理論なんかいいから、とにかく現場で使えるデータ分析手法を学びたい!!」というのが「ビジネス統計スペシャリスト」。
理論からしっかり学びたいという人は、「統計検定」が向いています。
その他の項目でも比較できるように表にまとめました。
ビジネス統計スペシャリスト | 統計検定 | |
---|---|---|
資格取得の目的 | ビジネスにおけるデータ分析能力の証明 | 統計学の知識と技能の証明 |
主催団体 | オデッセイ | 日本統計学会 |
試験内容 | ビジネスにおけるデータ分析に必要な統計学の基礎知識、実践的な応用力 | 統計学の基礎知識、統計解析の手法、応用力 |
試験レベル | ベーシック(基礎)、スペシャリスト(上級) | 4級、3級、2級、準1級 |
受験資格 | 特になし | 特になし |
受験料 | 基礎:6,600円(割引価格4,400円)、上級:10,780円(割引価格8,800円) | 4級:5,000円(学割3,500円)、3級:6,000円(学割4,000円)、2級:7,000円(学割5,000円)、準1級:8,000円(学割6,000円) |
合格率 | 統計検定の2〜3級程度 | 準1級23.6%、2級34.1%、3級75.6%、4級72.8% |
有効期間 | 特になし | 10年 |
詳しくはこちら>>>ビジネス統計スペシャリストについて
詳しくはこちら>>>統計検定について
どんな時に役に立つの?
「ビジネス統計スペシャリスト」を持っていると、一般的に以下のような場面で役に立つと言われています。
①ビジネス実践で活用できる
活用シーン(一例) | 内容 |
---|---|
ビジネスの意思決定のサポート | データを収集し、分析して、ビジネスにとって重要な意思決定をサポートする |
マーケティング戦略の策定 | 特定のターゲット市場を分析して、最適なマーケティング戦略を策定する |
コスト削減の助け | 効率の悪い生産ラインを特定して改善し、コスト削減に役立てる |
イノベーションの推進 | 市場調査を行い、消費者のニーズを把握して、新製品やサービスの開発に役立てる |
データマネジメントの改善 | データの品質や精度を向上させ、意思決定プロセスを迅速化する |
② スキルのアピールができる
アピールポイント | 内容 |
---|---|
データ分析スキルの強化 | 高度なデータ分析スキルを持っているため、データに基づく意思決定を行うことができる |
ビジネスプロセスの改善 | データに基づく最適化手法を使って、企業のビジネスプロセスを改善することができる |
イノベーションの促進 | 市場調査を通じて、新しい製品やサービスを開発することができる |
コミュニケーションスキルの向上 | データに基づいた情報を解釈し、他の部門とのコラボレーションを円滑に行うことができる |
データ分析スキルを持った人材の需要は急速に増加していると言われています。多くの企業がデータをより効果的に活用するために人材を探しています。
以下は、そのトレンドを示す統計データです。
- 「ビッグデータおよびビジネスインテリジェンス市場」の調査によると、世界のビッグデータおよびビジネスインテリジェンス市場は2020年に2,390億ドルに達し、2026年までに年平均成長率11.7%で拡大すると予測されています。[出典:MarketsandMarkets]
- 「2021年におけるデータサイエンティストの需要」の調査によると、2021年において、データサイエンティストの求人数は前年比で55%増加しています。[出典:IBM Watson Talent]
- 「2021年度版 IT人材白書」によると、日本におけるデータ分析人材の需要は2020年度に比べて20%以上増加しており、今後も需要は増加すると予測されています。[出典:情報処理推進機構]
これらのデータからも分かるように、データ分析スキルを持った人材の需要は今後も増加するでしょう。
試験対策について
学習時間
勉強時間は個人差ありますが、平均30~50時間だと言われています。試験ではExcelを扱いますので、Excelの基本知識がどのくらいあるのかによっても異なります。
私の場合、Excelはほぼ毎日触っていて、基本的な関数は一通り知っている程度。ちなみにMicrosoftオフィススペシャリスト(エキスパート)を持っている感じです。
そんな私が試験勉強に費やした時間は、2時間×10日間で大体20時間くらいでした。ちなみに、統計知識はほぼゼロの状態でした。
学習に必要なもの
- パソコン
推奨環境:Microsoft Windows10(64ビット版)
MicrosoftオフィスExcel2016以上 - オデッセイ発行の公式テキスト
- 模擬試験
この3つがあれば、大丈夫です。テキストを購入せず、模擬試験だけで合格した強者もいらっしゃるようですが、かなりのレアケースです。
基本的に、この3点は準備しておきましょう。
<参考>
・公式テキストまたは模擬試験購入サイトはこちら>>>
テキストは公式サイトよりも以下のリンクで買った方が、ショッピングサイトのポイントが付くのでお得です。
▼ベーシック(基礎)レベルの公式テキスト
▼スペシャリスト(上級)レベルの公式テキスト
合格に近づくための勉強方法
<参考>一発合格してきたIT系資格
- マイクロソフトオフィススペシャリスト (Excel2016)
- マイクロソフトオフィススペシャリスト (Access2016)
- マイクロソフトオフィススペシャリスト (Excel2016エキスパート)
- マイクロソフトオフィススペシャリスト (PowerPoint2016)
- vbaエキスパート(ベーシック)
- vbaエキスパート(スタンダード)
- ITパスポート
- ビジネス統計スペシャリスト など
では、具体的な勉強方法を解説していきます。
まずは、テキストを軽く1周読む
公式テキストを購入したら、まずは軽く1周読んでみてください。ここでポイントは「軽く」読むことです。最初から、全てを理解しようとして、この段階で時間をかけるのはやめましょう。
ここで全てを理解しようとして隅々まで読んでいると、あまり試験に出題されない範囲まで読み込んでしまい、無駄に時間が取られてしまいますので。
それと、途中に出てくる章末問題は解くようにするといいでしょう。
ココがポイント
隅々まで理解しようとしない!最初は、さらっと読み進める!
模擬試験を解く
公式テキストを軽ーく1周したら、模擬試験を受けてください。
最初は、時間を気にせずにゆっくりでいいので一通り解いてみましょう。
ここでのポイントは、勘や消去法を使って無理に回答しないことです。
分からない問題は素直に回答せずに、自分が理解できていない問題を洗い出すことが大切です。
で勘や消去法で正解をひねり出しても何の意味もありません。
ココがポイント
模擬試験で勘はNG!素直に理解できていないところを洗い出す!
模擬試験の結果を記録し、解けなかった問題はテキストで復習
模擬試験の結果は、必ず記録しておきましょう。
私は、以下のように毎回結果をExcelで表にまとめて、正答率や自分の苦手問題を把握します。私の場合、だいたい最初は正答率3割〜4割ですが、まったく焦りません。
これまでの経験上、最初は全然解けなくても徐々に正答率を上げていけばいいのを知っているからです。
表の一番右の列に、正答率が出るようにしています。
そして、不正解だった問題は赤塗りにします。
赤塗りの問題をテキストで見返し「なぜ、不正解だったのか?」を理解することで、赤塗りをどんどん減らしていきましょう。結果的に、正答率が上がってくるはずです。
ココがポイント
解けなかった問題は必ずテキストで復習!なぜその答えになるのかを理解する!
正答率を上げていく
解けなかった問題(上の表で言うと、赤塗りの部分)を集中的に勉強しながら、正答率8割〜9割まで上げていきましょう。
私の経験上、9割以上解けるようになっていれば、本番試験でもサクサク正解できます。
7〜8割くらいの正答率で本番試験に臨んだ場合は、時間に追われて、なんとかギリギリ合格できるようなイメージです。
ココがポイント
模擬試験で8割〜9割解けるようになるまで繰り返す!
時間を測って模擬試験を解く
本番試験の回答時時間は60分です。タイマーを使って、60分以内に問題が解けるように、なっておきましょう。
自作の弱点ノートを作っておく
模擬試験結果の記録表を見て、各出題ごとの正答率が低いものはノートにまとめておきます。
このノートは試験当日や前日に目を通すことで、かなりの力を発揮します。
私の経験上、試験当日ギリギリに目を通していたノートから出題されていたことは何度もあり、かなり有効です。
▼正答率が低い問題は、ノートにまとめておく
- テキストを軽く1周読む(全体イメージ把握)
- 模擬試験を解いてみる(出題傾向の把握)
- 模擬試験の結果をメモしておく(実力把握、苦手分野の把握)
- テキストで復習しながら正答率を上げる(知識の補完)
- 時間感覚を身につける
- 弱点ノートにまとめておく
※正答率8割〜9割になるまで②~④を繰り返す
本番試験を受けるときのコツ
試験を受ける時は以下のポイントに注意しましょう。
鉄則
- 前日は十分に睡眠をとる
- 会場入りの時間は十分に余裕を
- 最後の最後までテキストやノートを読む
- 分からない問題や時間がかかりそうな問題は、悩まずにどんどんスキップ
前日は十分に睡眠をとって、試験本番では体調万全で臨みましょう。寝不足だと、思考力が低下して、力が発揮できません。
また、当日の持ち物(受験票や身分証明書、割引制度を使う方は合格証など)の準備、会場までの行き方や入り時間などは前日のうちに確認しておきます。
当日焦って試験に臨むと、ろくなことがありませんから。
【特に重要】分からない問題・時間がかかりそうな問題はどんどんスキップ!
試験時間は60分です。回答数はベーシック(基礎)で40問、スペシャリスト(上級)で30問。
理想的な流れは、時間がかかりそうな問題はどんどんスキップして、分かるものだけ早く解き終える。
最後に、余った時間で残していた問題にチャレンジ!
これかなり重要です。
ちなみに、1問にかけていい時間の上限目安として、ベーシックだと1.5分、スペシャリストがと2分です。それ以上かかりそうな時は、どんどんスキップしましょう!
ベーシック(基礎) | スペシャリスト(上級) | |
制限時間 | 60分 | 60分 |
回答数 | 40問 | 30問 |
1問あたりの平均回答時間 | 1.5分 | 2分 |
ココがポイント
時間がかかりそうな問題はどんどんスキップ!余った時間で焦らずに解こう。
まとめ
ビジネス統計スペシャリストは、Excelを使ったビジネスデータ分析力を証明する試験です。
よく似た資格に「統計検定」がありますが、統計検定は統計学理論寄りの学習です。
理論なんかいいから、とにかく「現場で使えるデータ分析手法を学びたい!!」という人は「ビジネス統計スペシャリスト」に挑戦してみたください。
今後はまずます、データ分析スキルを持った人材の需要が増加すると言われています。
この時代だからこそ、少しでも自分のスキルアピールできるために資格を取っておくといいでしょう。
今回ご紹介した試験対策のコツが、少しでも参考になれば嬉しいです。
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